連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第178回
急性期病院における病室デザイン
中山 茂樹
1
,
藤田 衛
2
1千葉大学大学院工学研究科 建築・都市科学専攻
2株式会社山下設計 本社第1設計部
pp.970-975
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101583
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■病棟・病室計画における設計条件の変化
病院を取り巻く環境に大きな変化が押し寄せ,従来の病院づくりの姿勢が問われている.つい10年ほど前までは大病院も中小病院も,ある意味似たような医療を提供し,入院期間も,精神科などの特別なケースを除いても1か月近くあった.病院数が1万を超えた時代の話である.今日,病院数は全体でも8,750病院,一般病院は8,000を切り,7,700病院程度にまで減少している.
これは厳しい医療経済環境によるところが大きいのだろうが,やはり諸外国と比較した時の,適正な病院数・病床数に近づきつつあるとみたほうがよい.これに伴って,入院期間の短縮化などが指摘されているが,こうした様々な状況の変化が病室のデザインにどのような影響を与えるのかを考察したい.
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