連載 リレーエッセイ 医療の現場から
クボタショック,のど自慢的職業表現,Medic to Van
道端 達也
1
1玉島協同病院
pp.979
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101584
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2005年6月末に全国に衝撃を与えた「クボタショック」から4年以上が過ぎ,石綿問題が風化しているように思えます.そもそもクボタショックとは,何だったのでしょう? 『知恵蔵2009』では,「2005年6月,大手機械メーカーのクボタは「兵庫県尼崎市のクボタ旧神崎工場の従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡し,工場周辺に住み中皮腫で治療中の住民3人に200万円の見舞金を出す」と公表した.このいわゆる「クボタ・ショック」をきっかけに,アスベスト問題が再燃した.…」とありますが,ショックを受けたのは誰だったのでしょうか?
それは,アスベスト関連会社で働く労働者であり,その周辺の住民,そして日本国民,また,企業であり,その監督省庁でもあったでしょう.そして,医学界もショックを受けたはずです.日常臨床の問題1つとっても,石綿肺を特発性間質性肺炎と「診断」したり,胸膜プラークを陳旧性胸膜炎としたり.また,肺癌や中皮腫を石綿と関連づけなかったり….
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