臨床メモ
病院での小児の病室はどうあるべきか
松島 富之助
1
1愛育病院保健指導部
pp.1522
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203357
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病院における看護でもっとも手をやくのは,慢性疾患で入院している幼児・学童である.安静をとらないばかりか,他の患児へのいたずら,事故など目が放せないからである.
しかし,逆にいえば,病院における幼児・学童の扱い方がまちがっているのではないか?とも考えられる.心身ともに成長の旺盛なこの年齢では,遊びが発育にとってもっとも大切となる.遊びに夢中になれる環境作りは,病気の安静度との相関において必須でなければならない.欧米の小児病院または小児病棟には,病室はねむる部屋であり,食堂.遊戯室が別に設置されていて,年齢と病気による遊びのスケジュールが作られている.このスケジュールに従って,幼児なら幼児教育の保母,学童には小学校教師の資格のある人が職員に採用されていて,一定時間の遊びの指導や,学校で習っている学課を教わっている.慢性腎炎,ネフローゼ,結核などの慢性疾患にかかってもその年齢に必要な学習や遊びを習得できるので,全快したあと,幼稚園や学校へのリハビリテーションはスムースに行くようになっている.
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