研究と報告【投稿】
自治体立病院の経営形態に関する考察―地方公営企業法の全部適用への見直しが経営に与える影響
吉田 秀一
1,2
,
開原 成允
2
1株式会社日本経済研究所 調査第一局 医療福祉部
2国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科
キーワード:
自治体立病院
,
地方公営企業法の全部適用
,
経年的な分析
,
修正医業収支比率
Keyword:
自治体立病院
,
地方公営企業法の全部適用
,
経年的な分析
,
修正医業収支比率
pp.938-941
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101575
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要旨 地方公営企業法の一部適用から全部適用への見直しの効果について,医業活動の収益性の経年的な分析に基づいて検証を行うべく,922の自治体立病院を対象に,1999年度および2006年度の修正医業収支比率を算出し,その変化について統計的な分析を行った.その結果,1999年度から2006年度にかけて経営形態がそのままの病院と,2000年度から2003年度に一部適用から全部適用に見直した病院との,修正医業収支比率の1999年度から2006年度の変化の平均値について,統計上の有意差が認められ,全部適用への見直しの経営上の効果が検証できた.また,全部適用に見直しても1~2年は効果が出ていないことも明らかになったが,これは,そもそも経営改革,改善に時間を要することのほか,変化に対して柔軟,迅速な対応が必ずしも十分にできないといった全部適用の制度上の問題点によるものではないかと推察される.
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