綜説
地方公営企業における医療事業の考察
小野寺 伸夫
1
1岩手県北上保健所
pp.264-280
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202668
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I.緒言
戦後地方自治体経営による医療事業が発展をみせ,地方公営企業としての運営の合理化財政基盤の確立,人事労務管理の検討等財政学的経営管理学的論評が加えられて来たが,最近さらに近代医学の発展,医療の社会化,医療保障制度の拡充を康開発,健康保障への前進が主唱されるにともなって,公益事業としての医療がいかなる公共的社会的政策を必要とするのか,組織的な機能を発揮するにはどうしたらよいのか,予測される将来の医療制度の中で地域民衆の疾病対策,健康向上に果たす役割はどうなのか,またいかなる限界点があるのか等について一層行政科学的考慮が要望されるようになってきた。それらについての理解を深め,今後の考察の素材として,公的医療機関の変遷,公益医療事業特に地方公営企業法適用の医療事業で県単位のものを中心に構造分析をおしすすめ検討を加えて行きたいと思う。
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