連載 病院管理フォーラム
■DPCによる地域医療分析・7【最終回】
医療資源の選択と集中―まとめ
河野 一博
1
,
真野 俊樹
2
1京西テクノス株式会社 メディカルサービス部
2多摩大学統合リスクマネジメント研究所
pp.264-266
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101415
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ベンサコら1)は,戦略を体系化し遂行するためには,企業の境界,市場と競争分析,ポジションとダイナミクス,内部組織の4つの視点で経営戦略を策定する必要があると述べている.DPC(Diagnosis Procedure Combination)というすぐれた診断群分類は,この4つの視点で地域医療を考えるうえで有効な情報源となる.
われわれは,この連載で厚生労働省が発表しているDPCデータ(2007年6月22日および11月12日に開催された厚生労働省・中央社会保険医療審議会,平成19年度第1回,第8回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会の資料2))という客観的な情報を使って,地域医療における「選択と集中」という視点で分析を行ってきた.つまり,都道府県単位でみた「地域医療」とそこの医療機関が提供する医療サービスの集約度,別の見方をすると,医療資源の集約度を,一般に公開されているDPCデータを用いて検討してきた.この結果は地域医療の評価のみならず,その地域における最適な医療の提供を実現する病院経営の戦略を体系化して遂行するため,重要な情報の1つとなると考えられる.
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