特集 看護師の役割を今問い直す
【業務分担の事例】
ホスピスケアにおける看護師の役割
小穴 正博
1
1社会福祉法人聖ヨハネ会桜町病院ホスピス科
pp.323-326
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101164
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ホスピスケアでは,生命を脅かす疾患に直面している患者とその家族が抱えている様々な問題に関して,きちんとした評価を行い,それが障害とならないように予防したり対処したりすることで,クオリティー・オブ・ライフ(生活の質,生命の質:QOL)を改善するためのアプローチを行っている.患者や家族が少しでもよい状態で,納得しながら過ごすためには,様々な医療スタッフが気持ちを1つにしてチームを組んでアプローチすることが必要である.
病気の治癒を目指す一般病棟では,治療方針を決定する医師がチームの中心的な役割を果たすことが多い.それに対して,ホスピスケアでは病気の治癒を目指すのではなく,生活面に着目してケアしている.したがって,チームの中心的役割を果たすのは,患者や家族といつも向き合って対応している看護師であることが多い.ホスピスケアにおいて看護師は,専門的な知識をもってケアを実践するだけでなく,患者のニーズに少しでも応え,よりよいケアが提供できるように,チーム内でのコーディネーター的役割も担う必要がある.
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