特集 病院空間とまちづくり
【コンパクトシティ事例】
―山形県鶴岡市―旧市立荘内病院移転に伴う土地利用施策
今野 昭博
1
1鶴岡市都市計画課
pp.847-849
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101034
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鶴岡市立荘内病院(写真1)は,平成15年7月に中心市街地のわずか400mしか離れていない場所に,まちなか移転した.これは鶴岡市の政策である「中心市街地への都市機能集積」,いわゆる「コンパクトシティの取り組み」の一環である.
市立病院まちなか移転の考え方
平成3年の市議会荘内病院建設等特別委員会で,市民の声を受け大型駐車場を完備した新病院の郊外移転要望が協議されたが,①高齢通院者の交通利便性の配慮,②公共機能は中心市街地に集積し,まちの活性化を担う,という考えがまとめられた.もちろん,新病院移転に関しては,建設費用等を比較した財政調査(表)を行い,まちなか移転が郊外移転より僅差の5億6800万円(2.7%)事業費が増加する結果となったが,最終的にまちなか移転を選択したのである.この根底には,「今ある都市機能は外には出さない」,「新しく作る都市機能はまちなかに」,「郊外に出た都市機能はまちなかに」という市の政策理念があった.後に,本事例が今般の「まちづくり三法」見直しの,国土交通省「都市機能まちなか立地支援策」に繋がったと考えている.
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