レポート
手術室関連医療事故防止のためのシステムアプローチへの取り組み・1―プロジェクトの発足とその概要
佐藤 紀子
1
,
眞嶋 朋子
2
,
太田 祐子
1
Noriko Sato
1
,
Tomoko Majima
2
,
Yuko Ota
1
1東京女子医科大学看護学部
2千葉大学看護学部
pp.494-496
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100837
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本稿で紹介する研究は,急性期医療における中心的な治療の一つである手術療法に焦点を当て,そこでの安全構築のための新たな実際的取り組みの確立を目的としている.インシデントやアクシデントの事例分析を超えて,手術治療そのものや手術が行われる手術室という場で起こり得るすべての医療事故を可能な限り未然に防止することを目指し,厚生科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業「病院内総合的患者安全マネジメントシステムの構築に関する研究」(主任研究者:長谷川敏彦)のプロジェクト活動として実施した.
本連載では3回にわたり,本プロジェクトの活動の一部を紹介する.全国共通に使えるマニュアル作成を目指し,「胃切除術を受ける患者」を想定し,手術室に入室し退室するまでの一連の過程を,「手術前(手術室入室から執刀まで)」,「手術中(執刀から閉腹終了まで)」,「手術後(手術室退室まで)」の三つに分けて検討した.本連載においては,その中で「手術前」の部分について紹介する.第1回目は本プロジェクトの発足とその概要について述べ,第2回では実際の FMEA(failure mode and effects analysis:失敗モード影響分析法)の手順を紹介し,第3回では FMEA 手法活用について考察する.
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