特集 急変する医薬品政策―病院としての対応
薬剤管理業務とセーフティ・マネジメント
藤上 雅子
1
Masako Hujikami
1
1社団法人日本病院薬剤師会
pp.484-488
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100835
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筆者は昨年来,サリドマイド被害者の団体である「いしずえ」の方々と親しく懇談する機会を得た.サリドマイド被害から40数年,それを知る医師も高齢化し,医学部教育に取り上げられることも少なく,「サリドマイド被害」が風化されていくことを被害者の方々は恐れている.
「いしずえ」は,サリドマイドに新しい効能があるとされ未承認のまま野放し状態で使用されていることに危機感をもち,悲劇の再発を案じて「サリドマイドの輸入,使用および管理に関するガイドライン」作成の必要を提言している.専門家の下で薬が使用されてもスモン,サリドマイド,エイズ,ソリブジン等々薬害は繰り返されてきた.薬の専門家である薬剤師は,これまで患者・国民のために何をしてきたのだろうかと改めて考えさせられている.
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