検査じょうほう室 微生物 ステップアップに生かす微生物の知識
検査室のバイオセーフティ その1
後藤 美江子
1
1東京大学医科学研究所先端医療センター感染症分野
pp.772-775
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100976
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はじめに
内外のバイオテロ危機や先頃のSARS(severe acute respiratory syndrome,重症急性呼吸器症候群)をはじめ種々の感染症の猛威が社会を震撼させているなか,未知のさまざまな検体が集まり,多くの患者様と接触する機会の多い臨床検査の現場では感染予防対策の構築の立ち遅れが目立ち,多くの方々が種々の職場環境で不安を抱きながら日常の臨床検査業務に携わっているのが現状である.
本稿では検査従事者が自らバイオセーフティを考えるうえで一助となるように日常検査業務のなかで必要なバイオハザード(biohazard,生物災害,病原体がヒトに及ぼす危険性)対策とバイオセーフティ(biosafety,生物災害安全対策,危険回避の整備)の構築の基本を考察し,検査環境の改善の道へとつなげたい.
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