特集 急変する医薬品政策―病院としての対応
薬剤経済学を考慮した薬剤選択
池田 俊也
1
,
小林 美亜
2
Syunya Ikeda
1
,
Mia Kobayashi
2
1慶應義塾大学医学部医療政策
2財団法人医療科学研究所
pp.480-483
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100834
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これまで,病院における採用医薬品の選択に当たっては,臨床的側面と同時に,病院にとっての経済的なメリット,すなわち値引率が考慮されてきた.薬価差が病院経営の原資となっていた時代もあり,社会の立場から医療の経済的効率性を考慮する機会はほとんどなかったと言ってよい.
しかしながら近年,医療費の高騰が社会問題化し医療費適正化が重要な政策課題とされる中で,効率的な医療の実践が求められてきている.特に2003年度より特定機能病院などの入院医療に一日定額制 (diagnosis -procedure combination : DPC)が導入され,急性期入院医療においても薬物療法の経済性に関する配慮が求められるようになってきた.こうした状況の中で,新薬の採用や患者への臨床判断の際に,薬剤そのものの薬価だけではなく,その費用対効果を検討する必要が生じてきている.
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