特集 医療におけるナレッジ・マネジメント
病院の知の集積事例
QC サークル活動による病院における知の集積
北島 政憲
1
Masanori Kitajima
1
1医療法人宝生会PL病院
pp.222-226
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100782
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2004年11月8日に金沢市で開催された,医療の TQM 推進協議会主催の第5回フォーラムで,北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科の梅本勝博教授による特別講演「医療のナレッジ・マネジメント」を聴講したのが,筆者がナレッジ・マネジメント(knowledge management)について学習した初めての機会であった.梅本氏はナレッジ・マネジメントについて,「個人またはグループが所有する知識を共有し,活用することによって新しい知を創造しようとする経営原理」と定義し,常に新しい知を創造し続ける必要があることを,テレビドラマ「白い巨塔」の財前五郎と里見脩二,プロ野球の長嶋監督と野村監督の野球感と知の表出の違いなどを説明しながら,わかりやすく講義された.
ナレッジ・マネジメントを文字通りに訳すと,「知識管理」とか「知識経営」であるが,筆者は,日本の企業がこれまでに開発し実践してきた QC(quality control)サークル活動や TQM(total quality management) などの経営手法に相通じる,「知識」という概念を中心にした経営原理と理解した.また,この原理は日本から発信され海外で高い評価を受けていること,病院を中心とする医療界にも近年導入され始めていることなども知ることができた.
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