特集 選定療養・評価療養制度のこれから
高度医療をどのように医療制度の中で評価するのか
特定機能病院からみた選定療養・評価療養制度の課題
沖田 南都子
1
1国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門
キーワード:
評価療養
,
先進医療
,
患者申出療養
Keyword:
評価療養
,
先進医療
,
患者申出療養
pp.580-583
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211717
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■はじめに
近年のテクノロジーの急速な進展により医療技術も高度化・複雑化してきており,高度先進的な医療技術を診療の中に取り入れるための研究開発を迅速に進めることが求められている.ゲノム医療などの革新的な医療技術の導入は診療と研究両方の位置づけで実施することで,治療に難渋する患者への迅速な対応と技術自体の有用性評価の両立が可能と考えられる.一方,保険医は保険医療機関および保険医療養担当規則により特殊な療養や新しい療法,研究目的の検査などは原則禁止とされており,未承認や適応外の医薬品・医療機器などを用いた先進的な医療技術を保険診療と組み合わせて実施することにはさまざまな制約がある.本稿では,評価療養などの保険医療制度下での先進的な医療技術開発の現状を概説した上で,その課題・今後のあり方について考えたい.
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