連載 事例による医療監視・指導─院内感染・医療事故予防対策・3
医療従事者が結核に罹患した事例
桜山 豊夫
1
1八王子保健所
pp.498-499
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100631
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SARS(重症急性呼吸器症候群)と呼ばれる新型肺炎が話題を集めています.本誌が出版される頃には,病原体の特定も進んで少し落ち着いているかもしれませんが,4月上旬の段階で,既に累積患者数はおよそ3,000人に達し,死亡者数も100人を超える勢いです.感染経路としては接触感染,飛沫感染が疑われているようですが,飛沫核感染(空気感染)もあるのではないかとの説もあります.
本号では前回に引き続いて結核の院内感染について取り上げますが,結核も飛沫核感染によって感染が広がります.結核の院内感染に対して注意を払っていただければ,結果としてSARSの院内感染を予防するうえでも効果があると思います.
前回は医師による診断の遅れ(doctor's delay)の結果,院内感染が発生した例をご紹介いたしました.今回は医療従事者が結核に罹患した例をご紹介いたします.
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