--------------------
上位腎のみ結核に罹患せる右側完全重複腎の1例
外松 茂太郎
1
,
三輪 成
1
1京都府立醫科大學皮膚泌尿器科學教室
pp.532-535
発行日 1952年11月1日
Published Date 1952/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200828
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
重複腎を初め畸型腎が一般に病變を起し易い事は,成書並に文献に多く其の例を見る所である。而して重複腎に結核を合併したる症例も腎盂撮影術の發達と共に其の數の多きを加えている。然しながら重複腎側が反つて建常で正常腎側に結核病變を來せる症例も少くない。
余等は最近26歳女子に於て左側完全重複腎の上位腎のみ結核に罹患せる症例を得た。而して斯く重複腎の一方の腎盂のみ結核に侵され他の腎盂が侵されていないのは,文献上案外に僅少であり,内田山際(昭18年)は本邦文献より7例を蒐集しているに過ぎず,其の後も間瀬—橋本,赤坂,落合—神藤—馬島の3例を散見するに過ぎない。
Copyright © 1952, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.