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下位腎のみ結核に罹患せる右側不完全重複腎症例
外松 茂太郞
1
,
岡野 基
1
1京都府立醫科大學皮膚科泌尿器科學教室
pp.871-873
発行日 1953年12月1日
Published Date 1953/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201112
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I.緒言
重複腎に結核を合併したる症例は今日に於ては決して稀有なるものではない。然しながら重複腎の一方の腎盂のみが結核に侵されたる症例は比較的少く,且つ此者は腎結核の發生病理的見地よりして,今尚お興味ある分野を吾人に提供するものである。
曩に著者の一人外松は26歳女子に於ける上位腎のみ結核に罹患せる右側完全重複腎の1例を報告し,重複腎に發生する腎結核の意義に就て卑見を論述した。余等は最近亦,21歳女子で,下位腎のみ結核に侵されたる右側不完全重複腎の1例を得たので,以下其の大要を述べ,本症例を基として腎結核の發生病理に對し些か附言したい。
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