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馬蹄鐵腎の結核罹患例
小野 基
1
1北海道大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.222-224
発行日 1951年5月1日
Published Date 1951/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200510
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馬蹄鐵腎は先天性奇型腎の中では比較的多く,剖檢では0.1〜0.2%,臨牀上では0.2〜0.5%位に見られると言われている。而して,剖檢例より臨床例の方が遙かに多いと言う事が示唆する如く,本症も又他の先天性奇型腎に於けると同樣に正常腎に比して諸種の疾患に罹患する傾向が大きい。Hoffman, Israel, Zuckerkandl等は馬蹄鐵腎には結核が好發すると言つている。然し統計からは結核はそれ程多くなく,寧ろ最も多いのは結石で水腫,膿腫が之に次ぎ,結核及び腫瘍はかなり少い。文献から結核罹患例を求めても,外國ではRathburn(1924)等の集めた20數例,本邦では宮村氏(1929)の最初の報告以來余が渉獵せる範圍内では今日迄9例の報告が認められるに過ぎない。余も最近その1例を經驗したので之を報告し併せて本邦症例を列記し2,3の點につき記載したい。
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