統計
最近の結核罹患と死亡
滝川 勝人
1
1厚生省統計調査部
pp.1010
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200899
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わが国における最近の結核の様相は,医学の急速な進歩,社会情勢の変遷結核対策の推進などと相まつて,いちじるしく変化してきております。結核死亡の急速な減少,若年層における結核患者の激減,高年層における結核患者の増加などは,欧米諸国におけると同様に,そのまん延の極期を過ぎたようにも思われます。昭和22年以後のわが国における,医師届出による罹患と死亡の状況を,人口10万対の率で見たのが図であります。これで見ますと,罹患率では昭和26年の698.4をピークとして下降に転じ,死亡率では昭和22年の187.2を最高とし以後ずつと減少しております。
厚生省においては,わが国における結核の実態を明らかにするため,昭和28年,33年,38年の3回にわたり,全国民を対象として「結核実態調査」を行ないました。その結果をみたのが表であります。すなわち,昭和38年のわが国における全結核患者数は203万人と推計され,これを人口対率で見ますと2.1%となり,昭和33年の3.3%,昭和28年の3.4%と比べて毎回低下しております。
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