連載 病院管理フォーラム
病院マネジメントの課題
診療記録の課題を考える(2) 医療者-患者間の情報共有のあり方
西本 寛
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1国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報研究部 がんサーベイランス解析室
pp.1012-1013
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100134
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前回は,医療者間の情報共有という視点で診療記録のあり方について述べました.今回は,医療者と患者間の情報共有という視点で考えていきたいと思います.
インフォームド・コンセントの必要性がようやく日本の医療界に浸透し,今では当たり前のこととなっているように思われますが,日本の医療現場でのインフォームド・コンセントの現状は必ずしも患者さんの側から見て満足がいくものではないということは,いくつもの報告が指摘しています.往々にして,医師は「十分に説明もして,(面倒くさいけれど)同意書もとった」という感覚を持ち,それに対して患者さんは「説明はしてもらったけれど,内容についてはよくわからなかった.治療を受けるために必要だといわれたので,サインはしたけれど」という感想を持たれることが多いように感じます.このことは,本当の意味でのインフォームド・コンセントがいまだ根付いていないからではないでしょうか.
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