連載 ともに生きる社会のヘルスケア・システム・3
ヘルスケア・システムのマネジメント(1)
冨田 信也
1
1株式会社クロス・ロード
pp.502-504
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100030
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未来を創る組織の基本原則
昨年,2004年に入って10年余りの年月,出口なしのような状況に陥っていた日本の経済が少し動き出した.信念を持った企業など組織はその出口を信じ見据えて,地味な活動をこの10年あまり着実に続けてきた.それらの企業組織に共通するものは次の姿勢である.
①顧客価値追求を理念や目的に掲げている.
②組織の全員が参画して,顧客の要望を聴こうとしている.
③経営層は組織内に民主的な対話原理を働かせリーダーシップを発揮している.
④組織活動は透明性を持って一つひとつの業務や活動プロセスとして把握され,第三者にもわかりやすい.
⑤組織活動の個々のプロセスはネットワークされ,顧客本位の理念の下に収斂され,システムとして一元化されている.
⑥絶えず顧客本位の理念の下にこのシステムを見直し,継続的改善が行われている.
⑦経営判断には客観的な事実に基づくデータが重視される.
⑧組織を「うち」と「そと」を分けないで,経営目的に対して合理的な機能を分かち合うパートナーシップの実現を積極的に図っている.
この共通項目は基本となるマネジメント・システムを正しく着実にどのような環境にあっても動かしていることである.この基本に忠実な経営姿勢を学ばねばならない.特にコミュニティの新しいヘルスケア・システムの運営にはこれらの姿勢を持つことは必要不可欠である.
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