特集 脳性まひのリハビリテーション
Ⅳ 学童期・青年期の脳性まひ
学童期以後の脳性まひに対する作業療法
森山 早苗
1
1東京都神経科学総合研究所
pp.683-689
発行日 1972年12月9日
Published Date 1972/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104334
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
脳性まひのリハビリテーションを考える時,最も特長的なことは,機能障害に対する治療過程のほかに,生まれたばかりの1人の人間として・これから身体的・精神的・社会的に成長していく発達過程があることであろう.すなわち,機能の回復という考え方ではなく,これから治療教育することにより,障害者 なるのを防止する過程であり,ハビリテーションといわれる所以であろう.その子どものニードは様々であり,年齢によっても変化していく.その時に即した各方面からの適切なアプローチが,オーバーラップして与えられることが重要である.多様な症状を複雑に合わせもっている脳性まひに対しては,総合的な療育プログラムが必要であり,さらに自分の担当する治療プログラムだけを考えるのではなくて,関係する職員全体で立てた総合計画を常に頭におき,自分の担当する治療が全体の中で,どう位置づけられるかを考えていく態度が大切である.さらに,他のチームメンバーとの十分な重なりあいと意志の疎通が重要であり,相互の連絡を密にとり情報を交換しあい,協力しあっていくことが大切である.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.