診断のポイント
中年以後の指肢のしびれ
小林 幸吉
1
1九大内科
pp.211-213
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200687
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しびれとは
地方によつて多少の相違があると考えられるが,わが国で「しびれ」といわれている主訴の内容はなかなか複雑で多様なものである。
しびれていると表現される場合は主として知覚の消失あるいは鈍麻,衣類などがふれたときに別のものがふれたように感ずる,あるいは何もつけていないのに手袋,靴下などをつけているように感ずる知覚錯誤(Paresthesiaというべきか,刺激によつて異常な知覚をおこす),しびれが切れたときと同じようにじんじんするなどの自発的な異常知覚(Dysesthesia)などと表現すべき多くの症状を一様に「しびれ」と訴えることが多い。このように「しびれ」は多様な症状をうまく表現する言葉がないままに慣用されている症状群の呼びかたであるが,運動の障害や痛みの感覚は別の訴えとしてあらわされることが多く,「しびれ」にはこれらの因子は含まれていないと思われる。
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