特集 四肢まひ
四肢まひ患者の社会復帰状況
青木 智子
1,2
1三愛会伊藤病院リハビリテーション部
2東京女子医科大学衛生学教室
pp.282
発行日 1972年8月9日
Published Date 1972/8/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104248
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身体障害者福祉法第2条(更生への努力)によれば,‘すべて身体障害者は,自ら進んでその障害を克服し,すみやかに社会経済活動に参与することができるように努めなければならない’とある.だが現実には,身障者の就業率は一般健常者と比較するといちじるしく低く,就業状況をみると表1のとおりで,しかもそのうちの大半が就業不能となっており,不就業の理由の中には不必要が22%みられる.また就業者の障害程度の分布をみると,表2のように重度の1.2級での就業者は8.66%できわめて少ない.さらに産業活動の発展とともに,手工業の機械化は障害者を産業活動から締め出すばかりでなく,わずかな手仕事すらも取りあげてしまっているようである.このように身体障害は生活機能の阻害要因であるだけでなく,時として個人の生活構造を根こそぎ歪め,生活解体の条件となる.
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