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特集 物理療法
物理療法教育の現況
Physical Modality: Education on Physical Modalities
山本 双一
1
Soichi YAMAMOTO
1
1高知リハビリテーション学院
1Kochi Rehabilitation Institute College of Physical Therapy.
pp.569-576
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104089
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Ⅰ.初めに
物理療法は,熱・光・電気などのエネルギーを利用して疾病の治療を行うものであり,もっとも古い時代から行ってきた方法である.理学療法はこの物理療法から発展してきたものであり,時代とともに変遷し運動療法中心となっている現在においても物理療法は理学療法の中の重要な部分を占めるものである.
しかし,理学療法士学校・養成施設における理学療法教育過程では,1972年以来の現行指定規則カリキュラムで物理療法は実習を含め105時間と規定されており,これは運動療法の150時間に比べるとかなり少ない時間数である.物理療法の教育はこの時間的制約の中で理学療法士としての知識・技能・態度・習慣を教授し学習させることで,できるだけ多くの学生をできるだけ高いレベルに到達させねばならない.授業目標まで到達させるためにはきめ細かな教育計画が必要であるが,教育の内容や目標についてのほとんどを任されている物理療法担当教員にとっては,さらに人的制約や物理的制約も大きな問題となっていると想像される.
そこで,まず全国理学療法士学校・養成施設の物理療法担当教員へのアンケート調査結果からこれらの制約となっていると思われる要因についての現状を明らかにする.そして,昼間教育で教育期間が4年間である高知リハビリテーション学院の物理療法授業過程を,教授目標・学習方略・教育資源・評価方法を踏まえ,教育計画の一例として示す.さらに臨床実習における学生の物理療法学習についてもふれてみる.
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