今月の主題 腎不全の病態と治療
治療
透析療法の現況と将来
平沢 由平
1
1信楽園病院腎センター
pp.502-504
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206517
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本邦でも,慢性腎不全に対する透析療法の歴史は10年に近づき,透析者数は全国ですでに15,000名に達し,治療施設もほとんどの都市には存在するようになり,今や透析治療は全くルーチンのものになった.このような普及は,10年前には予想もできないことであったし,近年の普及速度は先進諸国の中でも1,2を争うものであった.これを支えたものは透析医学の間断なき進歩であるが,医療保険制度の適用も大きな役割を果たしてきたことは事実である.この治療が一応の成果をあげ,その結果として巨大化するにつれ,重要な医学的,社会的問題を提起することになってきていることは周知の通りである.医療人として考えるとき,医学的にもっと満足のゆく治療に仕上げることがまず必要であり,また,社会事情により適した透析医療の制度を確立してゆくことも急務と思われる.
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