Japanese
English
特集 物理療法
理学療法における鍼灸治療の効果
Physical Modality: Acupuncture Therapy Has a Definite Significance in Physiotherapy
丹沢 章八
1
Shohachi TANZAWA
1
1七沢リハビリテーション病院脳血管センター
1Department of Oriental Medicine & Rehabilitation Medicine, Nanasawa Rehabilitation Hospital-Comprehensive Stroke Center.
pp.577-582
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104090
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.初めに
鍼を手にしてからかれこれ15年になる.
この間,及ばずながら鍼灸学の科学的裏付けの研究を行う一方1),実地臨床では,何時の間にか,受付の通しナンバーが2700を越える新患患者さんを診察し,延べにすると15000人以上に上る患者さんを治療してきたことになる.
しかし正直なところ,年を重ね,さまざまな症状に接してきたほどには,われわれの治療技術といい,内容といい,自信満満で披露できるほどの進歩は無い.振り返って内心忸怩(じくじ)たるものがある.
遠く七沢の里のわれわれの外来に通院される患者さんの御苦労を思うと,臨床家として日ごろ,治療術の研讃に励むことの責務を改めて痛感する今日このごろではある.
折も折,本誌の編集室から,わかりやすく鍼治療の解説をするようにとの依頼があった.
編集室の意向に沿って標題のテーマはそのままにして,紙面の許す範囲で私なりに臨床体験をまとめ,本誌の品位に差し障らない程度でできるだけ平易に解説を加えることにする.
鍼治療は,物理療法という治療技術集団のれっきとした一構成員であることと,それなりの理論を有した治療システムであることの理解を深めていただければ幸いてじある.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.