Japanese
English
研究と報告
平衡機能に関する訓練効果およびその検査法の試み―健常人を対象にした実験的研究
Effect of Training on Equilibrium Functions and an Attempt to Assess it; An Experiment with Normal Subjects
浅井 仁
1
,
奈良 勲
1
,
立野 勝彦
1
Hitoshi ASAI
1
,
Isao NARA
1
,
DMSc TACHINO
1
1School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
pp.263-268
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104012
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.初めに
日常の臨床場面において平衡機能の評価を行う際には,患者の静的な状態(静止立位など)を重心動揺計を用いて検査するのがほとんどである.また検者が被検者に対して徒手的に外乱刺激を与えて平衡機能の検査を行う場合でも,その判定は検者の主観に頼ることが多い.
そこで,われわれは,前回の研究1)で健常人に対しおもりの落下を利用し,直線加速度を加えて平衡反応を誘発し,加速度計による定量的な検査を試みた.その結果,開眼時の平衡反応の特性として,連続10回の試行中,下部体幹で検出された加速度にほぼ変化が無かったのに対し,閉眼時においては,同じく連続10回の試行中,試行1回目から試行5回目にかけて下部体幹での加速度が著明に減少し,5回目以降10回目までほぼ一定の値を示す知見を得た.今回の研究では,前回の研究と同様に健常人を対象に,生体に加える加速度刺激の間隔日数を変化させた場合の平衡反応の違いについて加速度計を用いて検索し,その結果,臨床場面における平衡機能の訓練効果のメカニズムと,その機能維持のための刺激頻度について参考となるデータを得たので報告する.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.