Japanese
English
原著
立位姿勢保持における足指の作用に関する研究
Function of the Toes in Standing
浅井 仁
1
,
奈良 勲
1
,
立野 勝彦
1
,
山下 美津子
2
Hitoshi ASAI
1
,
Isao NARA
1
,
Katuhiko TACHINO
1
,
Mituko YAMASHITA
2
1金沢大学医学療技術短期大学部
2石川整肢学園
1School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
2Ishikawa Children's Orthopaedic Center.
pp.137-141
発行日 1989年2月15日
Published Date 1989/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102720
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.初めに
これまで,ヒトの立位姿勢保持能力の評価については,姿勢の評価,足圧中心動揺の測定による平衡機能の評価など諸家により数多くの報告がなされている.しかし,それらのほとんどは平衡機能において重要な前庭系,視覚系,体性感覚系を含めた中枢神経系の作用を中心に論じられたものである.また,ヒトが立位姿勢を保持する際に直接大地と接触するのは足部であるが,足底あるいは足指の機能と立位姿勢の関係については,藤原ら1~3)の報告があるのみで,リハビリテーション医学の分野においても,現状では,月村4,5)の報告以外はほとんど皆無である.
最近では足部の変形,特に女性における履物による外反母指などの足指の変形に対する関心6)も高まっており,足指が立位姿勢保持においてどのような働きをするかを,検索する必要性を感じた.
そこでわれわれは,まず立位姿勢保持における足指の作用について,母指と他の足指との機能的役割の違いに着目した.その検索方法として,健常人を対象にし足指を免荷した場合の足圧中心動揺の測定を,今回は外乱刺激を与えずに月村4)によるクロステスト(後述)を応用して行ない,その結果若干の知見を得たので報告する.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.