The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 22, Issue 2
(February 1988)
Japanese
English
特集 業務独占
理学療法と業務独占
Monopolization of Professional Practice: Physical Therapy and Monopolization of Professional Practice
松村 秩
1
Satoshi MATSUMURA
1
1東京都立医療技術短期大学
1The Tokyo Metropolitan College of Allied Medical Sciences
pp.85-88
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103964
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Ⅰ.初めに
医療関係職種の資格に基づいて行う業務には,その資格を有する者だけが独占して行う業務,すなわち業務独占と,その資格の名称だけを独占する名称独占とがある.したがって,業務独占の場合は,免許を有する有資格者は,その資格に基づく業務を独占して行うことができるが,その資格を有さない者はその業務を行うことは法的に禁止されている.
業務独占の代表的職種は医師である.医師以外には看護婦と診療放射線技師とがある.そのほかには,医療行為者とは区別されている医療類似行為を行う,あん摩マッサージ指圧師,はり師,およびきゅう師と柔道整復師がある.
名称独占の職種としては,理学療法士,作業療法士,臨床検査技師,視能訓練士がある.
本年,新しく誕生した義肢装具士,臨床工学技士は名称独占である.今後予定されている職種としては,ST,MSWがある.
医学,医術の進歩に従って,医療は専門分化が進み,新しい医療関係職種がいろいろと誕生した.これらの医療関係職種が誕生することによって,お互いの職種間の業務範囲の中で境界領域部分の重複が起こることになり,さらに医療関係職種が多くなるにつれて,各職種間の効率的業務分担とチームワークの在りかたが重要になってくる.
患者に対する医療サービスが全体として質の低下を招かないためには,各職種間の緊密な連携を図ることが今後ますます必要となる.
今回新しく制定された義肢装具士法,臨床工学技士法には,それぞれ,他の医療関係者との連携を図ることが,法律の条文として書かれている.このようなチームワークを条文として書かれたのは初めてである.
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