The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 9, Issue 11
(November 1975)
Japanese
English
特集 脳卒中
老年片麻痺患者の理学療法
Physical therapy of elderly patients with hemiplegia
松村 秩
1
Satoshi MATSUMURA
1
1都養育院付属病院リハ部
pp.753-757
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101112
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Ⅰ.はじめに
老年片麻痺患者に対する理学療法は,老化による身体的,精神的退行が一方に進行しつつあるだけに,その実施と効果については,複雑な問題が附随してくる.とくに合併症,続発症を併発している場合には,悪循環をくり返すようなことになって“ねたきり老人”を作ってしまうことが少なくない.
理学療法の適応も実際には若年層患者と比較した場合,加齢による臓器の予備力ならびに学習能力の低下によって,量的,質的に低下してくる.
老人のリハビリテーションは多くの場合,家庭内自立とか施設内自立を目標として,理学療法がおこなわれるのであるが,社会・経済的にも問題が多く,家族調整とか環境調整とかの問題解決なしでは全く片手落ちになる危険性がある.また入院中に獲得した機能を維持し,低下させないようにするためのプログラムが,コミュニティー・ケア,ホーム・ケアのなかに組み込まれてゆかなければならないことが社会的課題として残されている.
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