書評
車いす―大川嗣雄・伊藤利之・田中理・飯島浩〔著〕
津山 直一
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター
pp.34
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103946
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車いすは義肢,装具,自助具などと並んで福祉関連機器として重要性を増し,近年非常に普及しつつある.片麻痺,対麻痺,脳性麻痺,両大腿切断,関節リウマチ,筋ジストロフィー等々車いすを身体移動機能の代用,補助に用いる症例は非常に多く,研究開発も日日に進んでいる.
筆者が30余年前ストークマンデヴィルの脊損センターに学んだときには胸髄損傷の対麻痺であっても広背筋の強化,両長下肢装具と両松葉杖による歩行が可能であり,その訓練を励行することを教えられたが,結局これは治療体操の一部として残る程度であり,実用的には車いす生活がはるかに有用であることが認識されるに到った.エネルギー消費が大きすぎ,日常生活のスピードにも適さないからである.
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