とびら
豊かな時間
木俣 祐子
1
1京都大学医療技術短期大学部
pp.3
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103935
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作業療法士(OTR)養成の仕事に入って4年目.新米教師の私は未熟さゆえに悪戦苦闘している.見わたせば,あれもこれも教えねばならないことがたくさんあり,さらに新たな知見や技術も追いかけてくる.こうして学生は教師ともども3年間奮闘し,なにはともあれ,OTRに育っていく.
OTR,理学療法士(RPT)の養成が開始されて4半世紀たち,この間のリハビリテーションは欧米に追いつけ,追い越せで,現在の日本のリハビリテーションの水準は相当高いところにきていると思われる.この状況は日本の社会全般が効率性や機能性を追求して,目覚ましい科学技術の発展をみた,活気に満ちている時代に呼応している.一方この活気に満ちていることの裏で,人々は「時間が無い」「ひまが無い」として必死に時間を節約して,せかせかと追いたてられるように働いて生きている.
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