Japanese
English
特集 内部障害(2)
呼吸障害児の生活指導
Comprehensive Care for The Children with Pulmonary Disease
二上 哲志
1
Satoshi FUTAKAMI
1
1伊豆逓信病院小児リハビリテーション科
1Department of Child Rehabilitation, Izu Teishin Hospital.
pp.380-383
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103800
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はじめに
小児期に呼吸障害を起こす疾患には種々のものが知られているが,慢性疾患としてもっとも頻度の高いものは,学齢期小児の1~2%を占めると言われている気管支喘息であろう.
気管支喘息は教科書的にはアレルギー疾患として分類されているが,その発症には,複雑な要因が関係している.つまり,アレルギー反応,感染,内分泌,心因・不安などである.このそれぞれの因子の気管支喘息発作発症に関与する比率は,個人個人によりさまざまである.このため,ひとくちに気管支喘息といっても,その発症機序,症状・経過はかなり個人差のあるものと考えられる.このことから,気管支喘息児の治療は,画一的に行えるものではないということを常に考えておかねばならない.さらに,影響を及ぼす因子として重要なものの一つは,患児を持つ家族の問題である.つまり,それぞれの家族において,患児が発作を起こしたときの対応や,気管支喘息に対する理解の程度がそれぞれ違いがあることである.以上の点について考慮することなしに気管支喘息の治療は進められない.それ故,患児自身およびその家族に対して,生活指導な十分にかつ根気よく行うことが必要となる.今回は,呼吸障害児として気管支喘息を取り上げ,その病態,生活指導について考えてみたいと思う.
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