治療のポイント
排尿障害の生活指導
和久 正良
1
1都立駒込病院泌尿器科
pp.1343-1345
発行日 1964年12月10日
Published Date 1964/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200601
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診断的考察
内科医を訪れる患者のなかにはいろいろの形の排尿障害(頻尿,排尿困難,尿失禁)を訴えて,または合併してくることが少なくない。頻尿には排尿痛,尿混濁などを伴つていわゆる細菌性膀胱炎のことが多いが他に注意すべきことが3つある。1)神経性頻尿,これは膀胱炎様症状をもちながら,尿所見まつたく正常,膀胱鏡検査など専門的に診ても器質的の変化がなく,精神的因子によることが多い。案外多い疾患である。2)結核性膀胱炎,または膀胱結核ともいつて,膀胱炎を長く治療してもなおらぬさいはまずこれを考え,結核菌検索,膀胱鏡検査などくわしい検査を行なうのがよく,若年者に比較的多い。3)前立腺肥大症などの排尿困難の起こる前に始まる症状としてよく50歳代の男子に見られる。主として夜間頻尿の形をとることが多い。直腸診で前立腺の触診などより肥大症の有無を考慮してゆくのがよい。
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