短報
脊髄小脳変性症の歩行評価法の検討―歩行時間・空間因子の測定による
前田 哲男
1
1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.256-258
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103768
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はじめに
失調歩行の特色として,wide base,動揺,協調性の低下等が一般的にいわれている.
失調歩行の時間・空間因子の研究としては,宮崎等によるメトロノームを用いた方法1),千野等の加速度計や超大型床反力計を用いた一連の研究2-5),酒井等6)や上土橋等7)の床反力計を用いた研究等がある.これらはいずれも失調歩行を定量的に測定し分析しているが,千野等の加速度計を用いた研究を除けば,一般的に日々の臨床の中で行え,かつ失調歩行の程度をも示す評価法ではない.
この研究の目的は今後臨床的に可能な定量的歩行評価法開発のための基礎資料を得ることである.そのために,脊髄小脳変性症患者(以下SCDと略)の歩行時間・空間因子の特色を検討し,歩行能力との関係を検討した.
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