寄稿
海底居住の可能性とその限界
北 博正
1
1東京医科歯科大学医学部衛生学教室
pp.432-435
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204877
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最近,海洋開発が注目され,先進国はいずれも国策として,この方面に力を注いでおり,海国日本も立ちおくれが甚しいながらも,ようやく本腰をいれるようになってきた.
昔から海は水産物その他の資源の供給源として,また輸送ルートとして,いろいろ利用されてきているが,最近は海底石油や深海底に大量に存在するマンガン鉱等の資源を採取しようとする企ても遂次,実現し,これまでとは格段に大きな経済価値が認められつつある.これは地球の表面には限度があり,一方,人口は爆発的に増加しているのにかかわらず,食糧その他の物資の供給がまにあわなくなることは眼にみえており,結局,地球の表面の約2/3を占める海洋の開発が重視されるようになったもので,なにも一国の利益というだけでなく,人類全体の大きな問題となっているわけである.
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