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特集 脳性麻痺の治療の実際
中枢性協調障害の治療の実際
Early Intervention for Central Coordination Disturbance
田原 弘幸
1
Hiroyuki TAHARA
1
1北九州市立総合療育センター
1The Center of Developmental Medicine and Education in Kitakyushu City.
pp.453-458
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103358
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はじめに
本邦において脳性運動障害児の早期診断・早期治療はここ10年程でめざましい発展を遂げてきた.これはBobath法、Vojta法などのファシリテーション・テクニックが1973年頃より導入されたことに負うところが大きいといえる.特に1974年,Vojtaが発表した早期治療の成果1)はそれまでの脳性麻痺(以下CPと略す)治療の考え方を根本的に変えるものであった.その中で,中枢性協調障害(Zentrale Koordinationsstorung―以下ZKSと略す)の概念がはじめて述べられたのである.これは姿勢の発達の遅延または障害のため,将来CPに発展していく可能性のある危険児に対してつけられた補助的な診断名である.ところが,この概念の取り扱いについては臨床家の間で必ずしも同一性をもって受け入れられていない印象を感じている.
そこで本稿では筆者が理解できる範囲でZKSの概念についてまとめ,またその治療の実際について療育システムの観点から述べることにする.
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