Japanese
English
実践講座 神経発達症の診療・5
発達性協調運動症/発達性協調運動障害—DCDの評価・診断
Developmental coordination disorder: clinical evaluation and diagnostic process
中井 昭夫
1
Akio Nakai
1
1武庫川女子大学教育研究所/大学院臨床教育学研究科/子ども発達科学研究センター
1Graduate School of Clinical Education & The Center for the Study of Child Development, Institute for Education, Mukogawa Women's University
キーワード:
発達性協調運動症/発達性協調運動障害
,
DCD
,
Developmental Coordination Disorder Questionnaire日本語版
,
DCDQ日本語版
,
Movement Assessment Battery for Children第2版日本語版
,
M-ABC2日本語版
,
脳性麻痺
,
統合失調症
Keyword:
発達性協調運動症/発達性協調運動障害
,
DCD
,
Developmental Coordination Disorder Questionnaire日本語版
,
DCDQ日本語版
,
Movement Assessment Battery for Children第2版日本語版
,
M-ABC2日本語版
,
脳性麻痺
,
統合失調症
pp.1357-1362
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202667
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「協調(coordination)」とは,視知覚・触覚・固有覚・位置覚などさまざまな感覚入力をまとめあげ,運動意図に基づき運動計画を生成,運動として出力し,その結果のフィードバックに基づき誤差を修正していくという一連の脳機能である.協調には,走る,ジャンプするなどの「粗大運動」,細かい手先の作業や書字などの「微細運動・書字」,ボールを捕る,バットで打つなどの「手と目の協応」,よい姿勢で一定時間座っているなどの「姿勢制御・姿勢保持」がある.
「協調」は,いわゆる体育やスポーツに限らず,ボタンの留め外しや靴紐結びなど衣類の着脱,咀嚼・嚥下から箸やカトラリーの使用などの食事,塗り絵・描画や書字,定規やはさみ,コンパスなど文具・道具の使用,リコーダー・鍵盤など楽器操作などの学習,折り紙・ブロック・パズル・ビーズやゲーム機など手先を使う遊び,遊具,縄跳びやダンスなど身体全体を使った遊び,また,姿勢よく座る,ものを落とさない,人やものにぶつからないなど,子どもの学校・日常生活のほとんどの動作に関与する.また,成人においても,小児期と異なる,そのライフステージ特有のさまざまな課題,例えば,細かい手作業や書字,タイピング,料理,メーキャップ・髭剃りなどの整容,自動車運転における縦列駐車や車庫入れなどを含めて,さまざまな日常生活にかかわる重要な脳機能の1つである1,2).
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