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特集 脳性麻痺の治療の実際
アテトーゼ・失調型の治療の実際
Treatment for Children with Athetosis and Ataxia
河村 光俊
1
Mitsutoshi KAWAMURA
1
1金沢大学医療技術短期大学部
1School of Allied Medical Professions, Kanazawa University.
pp.448-452
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103357
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Ⅰ.はじめに
アテトーゼ型脳性麻痺(以下アテトーゼCP)の持つ特有の姿勢筋緊張の種類は個々症例により異なる.また一人の症例においても,いくつかの異なるタイプの不随意運動をもつことは臨床の場でよく経験するところである.このような姿勢の動揺を主症状とするアテトーゼ型CPに対する治療において,不随意運動を抑制しようとすることは結果的に子供の運動性を過剰に押さえることになる.また四肢の不随意運動を過剰に押さえることによって不随意運動の転移が起こり,顔面・口腔周辺の不随意運動が強まることがある.
アテトーゼ型CP児の動作が目的を持たない目的運動と言われるように,彼等の問題点を次のように考える必要がある.即ち(1)運動の方向性をコントロールする能力のまずさ,(2)運動の段階的コントロールのまずさ,を主要な問題点として治療計画を立て,上記のような不必要に子供を抑制しすぎることを避けなければならない.
以下,アテトーゼ型CPのもつ特有の問題点と治療例を述べ考察する.
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