The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 19, Issue 2
(February 1985)
Japanese
English
特集 脳卒中患者のフォローアップ
視空間失認患者の在宅におけるADL状況
ollow-up Study of Home Self-care Activities in Poststroke Patients with Visuospatial Agnosia
前田 守
1
,
三島 博信
1
,
窪田 俊夫
1
,
前田 三和子
1
,
樋口 雄一
1
Mamoru MAEDA
1
1中伊豆リハビリテーションセンター
1Nakaizu Rehabilitation Center.
pp.107-111
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103264
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Ⅰ.はじめに
失語症患者には,相手に話が通じないという,具体的な障害が“喪失感”を伴いながら表面化する.しかし,左片麻痺の視空間失認症患者の場合は,手や足の麻痺を訴えても“左側無視”そのものを,自分に生じた障害として認識することができない.
前者は積極的に取り戻そうとする「陽」の姿勢であり,後者は認めることができない,認めたくない,といった「陰」のリハビリテーションと言うことができよう.
点と点の中心を指摘することができない,平面や立体の図形を上手に書けない,などのテスト結果は,いうなれば,患者が朝から夜までの一日の生活空間において,まとまりのある過し方ができないことを意味していると考えることができる.
彼等の多くは受身的立場であり,当惑しながらの生活態度を容易に推察することができる.一応のリハビリ・ゴールを達成したのち,その家庭生活をどのように過しているのであろうか.どのような問題行動が生じているのであろうか.大いに興味あるところである.
在宅片麻痺患者のフォローアップについてはすでにすぐれた報告がある.
今回,アンケートによる視空間失認患者の追跡調査を試み,高次脳障害が日常生活に及ぼす影響などの検討を行ったので報告する.
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