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特集 脳性麻痺に対する生活動作指導
脳性麻痺児の拘縮予防のための生活管理
Dialy Management for Prevention of Contractures in Cerebral Palsy
西山 知行
1
Tomoyuki NISHIYAMA
1
1ボバース記念病院
1Bobath Hospital Rehabilitation Department.
pp.827-831
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103216
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Ⅰ.序論
脳性麻痺児の拘縮は,他の疾患と比較して,独特な出現過程があるということを考えてみる必要がある.
脳性麻痺児の障害は,新生児期,乳児期には,重度例を除き,それ程明確ではない.正常か,少し発達が遅れているのに過ぎない場合が多い.そこから脳損傷は進行性でないにもかかわらず,異常な症状が著明となる.それは,単なる発達の遅れのみでなく,筋緊張の異常,例えば痙性・強剛・動揺・低緊張などと密接に結びついた姿勢・運動パターンの異常として現れてくる.この異常性の出現は,初め,運動の時のみかもしれない.しかし,次第に恒常的に出現するようになり,可逆性のない拘縮・変形として固定されてくる.
このように脳性麻痺児は,年長になるにつれて,その異常性が顕著になり,また拘縮も出現してくるという異常発達の特徴をもっている.したがって,拘縮予防は,異常発達の過程を踏まえて行わなければならないし,またそこに生活管理の重要性がある.
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