特集 今日の学校保健
学校保健における養護教諭の役割と課題―養成の立場から
鈴木 美智子
1
,
野村 弓
1
1九州女子短期大学養護教育科
pp.30-33
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100783
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学校保健のなかで養護教諭の中心的な活動というのは,児童・生徒への心理的支援である.本稿ではまず,28年間中学・高校の保健室で養護教諭として勤務していた筆者の経験から1つの事例を紹介し課題について触れ,その後養護教諭の役割や,子どもへの心理支援プログラムについても言及したい.
不登校だったAさん
筆者が不登校となったAさんに出会ったのは,1977年1月の土曜日のことであった.中1のAさんが「気持ちが悪い」と保健室に来た.冬休み中の午前・午後,2つの塾に通っていたとのことで明らかな過密生活,体調不良の様子であった.そして翌日から不登校が始まった.筆者は家庭訪問や,請われるままのカウンセリングを57回にわたって行った.しかし結局不登校は続き,保健室登校をしながら卒業した.
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