Japanese
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研究と報告
脊髄小脳変性症の手指機能の特性と経時的変化―FQによる検討
Characteristics and Changes over Time of Hand Function in Patients with Spinocerebellar Degeneration: Results of FQ Testing
菊池 恵美子
1
,
市川 和子
1
,
田中 勇次郎
1
,
金沢 都代子
1
,
島村 治伊
1
Emiko KIKUCHI
1
,
Kazuko ICHIKAWA
1
,
Yujiro TANAKA
1
1東京都立神経病院
1Tokyo Metropolitan Neurological Hospital.
pp.334-338
発行日 1984年5月15日
Published Date 1984/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103090
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はじめに
脊髄小脳変性症(以下SCD)は,小脳およびそれに関連する神経経路の変性により,運動失調を初め,さまざまの臨床症状を呈する原因不明の疾患1)である.
本疾患に対する作業療法(以下OT)の取り組みは,未だ体系化されてはおらず,基礎的研究に基づく報告2~5)も数少ない.
OTとして,彼らの上肢機能の特徴を種々の観点から捉え,さらに疾病の進行に従いその変化を測定し,ひいては,狭義の機能訓練の効果を見極めることは,その機能レベル6)(impairment level)を正しく知る意味でも重要であり,必要を感じていた.
しかし,従来,SCDに対してOTが用いて来た協調性テストは,数量化が難しく,変化を客観的に捉えにくいという問題があった.また,協調性以外の手指機能を総合的に把握する適切な方法がなかった.
これらの問題への対応として,我々は,今田ら考案のFQ(Finger Function Quotient)テスト7)を導入し,SCDにおける,総合的な手指機能の数量化を試みた結果,若干の知見が得られたので報告する.
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