Japanese
English
特集 神経難病とリハビリテーション
脊髄小脳変性症
Spinocerebellar degeneration.
尾花 正義
1
Masayoshi Obana
1
1東京都保健医療公社荏原病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Tokyo Metropolitan Health and Medical Treatment Corporation Ebara Hospital
キーワード:
脊髄小脳変性症
,
診断
,
治療
Keyword:
脊髄小脳変性症
,
診断
,
治療
pp.515-524
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110521
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はじめに
脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration;SCD)は,運動失調などを主症状とする神経の変性疾患の総称である.このSCDは,単一の疾患ではなく,臨床症状や病理所見あるいは遺伝的に異なるいくつかの病型からなる.日本における代表的な病型分類を表11)に示す.なお,日本ではSCDといわれるが,海外では脊髄小脳失調症(spinocerebellar ataxia;SCA)やdegenerative ataxia(DA)などと記載されている.
SCDの特徴は,① 運動失調を主症状とすること,② 徐々に発病し経過は緩徐進行性であること,③ 病型によっては遺伝性(日本では3割)で,優性遺伝が多い(9割以上)が劣性遺伝(1割未満)のこともあること,④ 錐体路症状・錐体外路症状・自律神経症状・末梢神経症状などを示すことがあること,⑤ 頭部核磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging;MRI)などで,小脳・脳幹の萎縮を認めることが多いことなどで,神経難病の1つに指定されている.
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