とびら
医療と福祉の接点
橋元 隆
1
1九州リハビリテーション大学校
pp.141
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103046
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学生に「医療と福祉の接点」というテーマでレポートを提出してもらった.医療とは何か.福祉とは何か.そしてリハビリテーション医療に携わるわれわれの果すべき役割は何か.そんなことを彼らに考えてもらおうと思った.彼らの多くは,医療保険,地域医療,あるいは生活保障などの問題を取り上げ,わが国のいわゆる社会保障・制度の乏しさを指摘していた.しかし,残念なことに医療も福祉も,その対象が人間であり,人間の生活を守るものであることを指摘した学生は少なかった.
医療が「生命」「健康」を守り,高めるものならば,福祉も憲法第25条の基本的人権保障に基づき,「生命」「健康」「生活」を守り,高めるものであり,同じ人間を対象としているのである.こうした中で医療は主として身体的側面に,福祉は主として社会的側面にアプローチするものであり,そしてそこに医療と福祉との連帯ができてくる.その媒介としてリハビリテーション医療の役割があるといえる.
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