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特集 青少年野球における投球障害の現状と予防の歩み
医療と野球の接点を構築するための活動
Medical intervention in throwing injuries in young baseball players
岩堀 裕介
1
Yusuke IWAHORI
1
1あさひ病院,スポーツ医学・関節センター長
キーワード:
Baseball
,
Throwing injury
,
Medical intervention
Keyword:
Baseball
,
Throwing injury
,
Medical intervention
pp.1191-1202
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001423
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要旨:わが国においてメジャーなスポーツである野球による障害は肩・肘を中心に未だに多く発生し,しかも小中学生という成長期の世代が大部分を占めている。野球選手の野球障害の治療や予防に私たち整形外科医や理学療法士といった医療スタッフが貢献できているかというと,まだまだ不十分と言わざるをえない。その要因には,野球障害の治療が整形外科の分野であることの認知度の低さのほかに,野球肩・野球肘の要因に関する選手・親御さん・指導者の認識不足や整形外科の治療に対する信頼度の低さなどがあると思われる。その解決のためには,野球障害の発生要因に対する選手や関係者への啓蒙活動,整形外科医の意識改革や診断・治療の向上による信頼の獲得,押しつけにならない診療上の工夫が必要となる。また野球障害のうち,最も選手と整形外科医を悩ませる上腕骨小頭離断性骨軟骨炎の対応については,治療時期が多感な思春期に重なること,治療期間が長期間に及ぶこと,初診時の段階で確実な予後予測が困難であることから,整形外科的なケアのみならず,精神面への配慮,親御さんの理解と協力の確保が求められる。
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