プログレス
脳卒中慢性期における痙攣発作の管理
名倉 博史
1
,
山之内 博
1
1東京都養育院付属病院神経内科
pp.701
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102947
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脳血管障害を有する例において,痙攣発作の出現をみることはそれほど稀ではない.脳卒中慢性期にみられる痙攣発作は,late seizureと言われるが,このlate seizureは何の前兆もなく突発することが多いため,しばしば周囲の者を狼狽させる.またlate seizureを契機に,それまであった神経症状が急に悪化することも少なくないとされており,その管理は重要である.
late seizureは,脳卒中発作後2週間以上を経て出現する痙攣発作を総称する.背景となる脳血管障害としては,脳出血は稀であり,皮質を含む梗塞性病変が主要なものであるが,梗塞巣の部位,大きさと痙攣発作の出現時期,頻度との間には有意な関係はみられない.皮質梗塞は大脳皮質のどの部位に生じたものでも痙攣を生ずる可能性があり,それは神経症状を呈しないほどの小さい病変であることもある.
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