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特集 心身症
リハビリテーション外来における心身症の病態を呈する患者とその治療
Approaches to the Patients With Psychosomatic Disorders in the Rehabilitation Service
本田 哲三
1
,
千野 直一
1
Tetsumi HONDA
1
,
Naoichi CHINO
1
1慶應義塾大学医学部
1Keio University School of Medicine.
pp.291-296
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102848
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はじめに
リハビリテーション医学は,本来,身体訓練のみならず,心理的および社会的側面を含む全人的な回復を目指す治療体系である.
しかしながら,従来のリハビリテーション(以下リハビリ)臨床は,身体訓練―社会復帰中心であり,心理面への配慮は必ずしも十分ではなかった.
以上の観点に基づき,我々は昭和55年より「リハビリ心理外来」を設定し,患者の呈するさまざまな心理的問題への対応を模索してきた.
本稿では,当外来における自験例の中から,リハビリと関わりの深い「骨筋肉系の心身症の病態を呈する患者」(以下「心身症患者」)を取り挙げ,臨床経過と具体的対応を中心に検討を加えたい.
なお,「心身症」という概念自体,診断学的には暖昧であり1),含まれる病態も「狭義」および「広義」では異なるが(表1),一応「心身医学的アブローチの必要な病態」といった意味で捉え論をすすめる事とする.
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