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特集 心身症
心身症とは
Phychosomatic Disorders
筒井 末春
1
Sueharu TSUTSUI
1
1東邦大学医学部心療内科
1Laboratory of Psychosomatic Medicine, School of Medicine Toho University.
pp.285-290
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102847
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はじめに
一般臨床でさまざまな症例をとり扱う機会がある中で,個々の症例について臨床医の経験が豊かになるにつれて,同じ病気であってもそのマネージメントは必ずしも画一的でないことに気づき,知らず知らずのうちにきめの細かい医療として,個々のケースに適した病人のケアを手掛けているものと思われる.そのためにも今日において心身医学的素養を身につけることが必須といえよう.
本稿では心身症の概論として心身医学の対象や心身症の現況を主体に,その位置づけも含めて解説を行ってみたい.
人によりさまざまな悩みや苦痛を持ち,その程度や心とからだの絡み合う比重も異なり,身体医学一辺倒や心理面のみを重視する捉え方では片手落ちで,両者を総合的に捉えてゆくことが正しい医療のあり方といえよう.
そのきめ細かなアプローチは生理学的,心理学的,社会学的,倫理学的アプローチとして把握することが重要であり,病人をこのように多面的に捉えてゆくことが臨床医学の中核としての心身医学であるといえ,心身症の捉え方もこのような立場で理解してゆくことが望ましい.
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